Photo© 杉野圭Photo© 杉野圭Photo© 杉野圭Photo© 杉野圭Photo© 杉野圭Photo© 杉野圭Photo© 杉野圭この小住宅は、阪神間の駅前徒歩1分程の21坪程の狭小の住宅地に建つ。若い家族が健康的に住まう、都市型の住宅である。
間口は、2間半余り、奥行き8間余りの東西に長い敷地である。西側は、表道路に接続し、南隣地は隣家が迫り、北側は、５mで北側斜線の規定があるが隣家の豊かな樹木に接する。そして、東側が水路地に接する敷地である。
南北面は壁で閉ざし、開口は風抜きの小窓に止め、隣家の配慮から、視線を避けている。東西面は、全面開口として、吹き抜けからのハイライトや屋上テラスを設け、閉鎖感のないようにした。
一層目は、外部空間を取り込んだ土間と繋がる主寝室があり、二層目には子供部屋と水回りがある。そして最上階には、家族が集まる居間を設け、斜線制限による形態に即して最も大きなヴォリュームを確保し、東西のバルコニーと吹き抜けと屋上テラスとを繋ぎ、外部にも拡張させ、内部でありながら、外部空間の雰囲気を演出した開放感のある空間を求めた。
また、一階の玄関土間から屋上テラスまでスムーズに縦方向にも連続させ、この小住宅が家族を乗せたワンボックスカーのような、一体感のある空間とした。また、間口方向に対し、水平力が不利に成る為、この住宅のタイトルとした耐力壁である steel wall を設け、そして、住宅の中心部に配し、存在感のある壁とし、スチールの階段を支えるメッシュ壁、鉄の素材感等、構造体との一体性を持たせた意匠とした。
