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Steel Truss

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Steel Truss

この住宅は、山間の自然木を残した傾斜地に建つ。場所性のもつポテンシャルから、樹木をイメージするオーガニックな意匠性と構造体が連続するような空間を考えた。そして、この大きなスチールトラスの大屋根を、サニタリースペースと茶室に見立てたゲスト室の2つのモノコック構造のスチールボックスが支えている。
四畳半のこの鉄の茶室は、厚さ6mmのスチールプレートで一体成型され、運搬、板材の規格寸法、溶接等を複合的に考慮して、ヴォリュームを決定している。ほこらのようなプライベート性の高いこの茶室のトップライトを開放すると、ダイレクトに自然の気配が侵入する中庭空間へと反転し、閉鎖性は一気に開放される。 開口部を構成する要素を視線からなくし、ピクチャーフレームで切り取ったエッジのディテールによって、自然の揺らぎの変化がより敏感に五感に作用し、意識を無限に開放する空間を期待した。

設計するにあたり、鋼構造を選択した理由をひとことで言えば、材料の確かさである。高強度や高耐久性はもちろん、鉄の加工技術の発展で変化自在であり、加工精度の正確さ、そして、建築パーツのプロダクト的な工場制作が可能である。またさらに、現場施工の簡略化、素材自身のクオリティやコスト面など総合的に捉えれば、私自身、最も信頼のおける、優れものの建築材料であると考えている。
今後、鉄を用いてつくってみたい空間は、従来の柱、梁の規制に捉われない、構造から解き放たれた建築。たとえば、モノッコック的な建築の試みの、船や車、乗り物のような面で包まれた大空間であり、その無限の可能性に魅力を感じている。一方で、無機質なクールな素材であるが、自然や五感に連動した空間を目指したい。

Steel Truss data

Project Title
Steel Truss
Location
奈良県生駒市
Design
2006.09-2009.04
Floor Area
147.49m²


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