1. Works一覧に戻る
  2. Mo House
  3. Mo House
  4. Mo House
  5. Mo House
  6. Mo House
  7. Mo House
  8. Mo House
  9. DATA

Mo House

NEXT IMAGE

Mo House

この住宅は、商店街と住居地が混在する比較的密集した18坪足らずの狭小地に建つ、コンパクトなスチールシートの都市型住宅である。1階には、住宅に付属する店舗と視覚的に連続する中庭があり、上階にそのクライアントの住まいがある。神戸の地形から、海と山を結ぶ南北軸に両方向をペアガラスのサッシュで全面開放させ、敷地奥に中庭を確保したことでパッシブにとらえた自然採光と風抜きが十分に機能できている。そして、2階に個室、3階にリビングをそれぞれ配し、下階から上階に上がるにつけ内部ヴォリュームが増し、さらに開放感と光量が増大するように考えている。サニタリーのある屋上テラスは、デッキと緑のある空中庭園としてアウトリビングとなり、都市にいながらにして天空と山と海側の風景が楽しめる場所である。
スチールがもつ魅力は、モダニズムの時代に確立された構造的規制を超える可能性がある材料であると思えるからで、まだその応用と展開が可能と私自身は確信している。そして構造材としてのスチールシート材のもつ性能もさることながら、建築のクオリティの選択としてスチールシートを外装材として考えている。
9mmのスチールシートの使用は、スチール自体の素材感の強さや強度よりも、厚さが語りかける質感を期待するからである。その質感は、ミースが使う石材の厚さと同様に、安心感と建築のクオリティを保証してると確信するからである。車は車であり軽くて強度が必要で、車体を包む薄肉のスチールシートで、決して建築のように質感は問われないはずである。建築のスチールシート化は、単なるプロダクト的な工場制作の工法における扱いだけでもなかろう。素材の厚さは、やはり空間の大きさに比例し、質感に反映すると思える。質感が求められるのは、使われるもの以上に人が住まうものであるという決定的な点にある。

Mo House data

Project Title
Mo House
Location
神戸市中央区
Design
2001.10-02.04
Floor Area
120.05m²


PreviousNext